コロナ陽性者の隔離期間は?陽性判定されたあとの療養生活はどうなるの?

更新日:2022年04月27日

名倉 義人 医師

○経歴
・平成21年
名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事
・平成23年
東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得
・平成27年
東戸塚記念病院で整形外科として勤務
・令和元年
新宿ホームクリニック開院

○資格
救急科専門医

○所属
日本救急医学会
日本整形外科学会

コロナ陽性になってしまったけど、コロナ陽性者の隔離期間ってどれくらいになるんだろう。
自分と関わった人で濃厚接触者になった疑いがある人はいただろうか。
保健所からの連絡は?買い物は?生活の注意点は?関係各所への連絡は?
ああ、自分はどのようにこの事態に対応したらいいんだろうか。

陽性判定されると、動揺してしまい、まずやらなければならないことは何なのか、何から手をつけるのが良いか決められず、パニックになりそうですよね。
「陽性判定〜療養生活終了まで」のコロナ陽性者の隔離期間について、流れを確認するとともに、対応すべきことをひとつずつ取り上げて説明しているので、参考にしてみてくださいね。
ファストドクター

陽性判定〜隔離期間終了までの流れ

<陽性判定>
病院や検査施設等で陽性判定を受けました。
※陽性判定を受けて、自宅療養する方を「感染者」といいます。

<保健所に登録される>
病院、検査施設等の医師から感染症発生届が保健所へ提出されます。
保健所へ新型コロナウイルスの新規感染者として登録されます。

<隔離期間の決定、療養生活開始>
保健所の指示により感染者の隔離期間が決定されます。
保健所からのSMSや電話連絡により、感染者に隔離期間が伝えられ療養生活に入ります。
また、療養生活は自宅待機や、療養型宿泊施設、入院など、病状や個々の状況により様々です。
感染者の中で軽症・無症状の方にはSMSでの連絡のみで、電話連絡がない場合もあります

※保健所の対応はお住いの自治体により違う場合がありますので、必ずお住いの自治体の対応を確認するようにしてください。

<保健所からの指示のもと療養生活終了>
隔離期間が終わると、保健所からの指示で療養生活の終了が伝えられます。

以上が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けて感染者となってから隔離期間をすごすために療養生活を開始し終了するまでの流れになります。
以下では流れに沿って、それぞれの時期のもう少し具体的な内容について説明していきます。

陽性判定をうけると保健所に登録される

PCR検査・抗原検査で陽性になると、その検査を受けた医療機関からご本人に検査結果の連絡があります。

医療機関以外で検査を実施し、陽性となった場合は医療機関への受診が必要です。
まずは、かかりつけ医か、近医にご相談ください。

その後、医療機関により、医師が新型コロナウイルス感染症と診断した場合には、医療機関(医師)から保健所に発生届が提出されます。
保健所に発生届が提出されると新型コロナウィルスの新規感染者として登録され、療養生活の支援が始まります。

陽性判定を受けたら、濃厚接触者の疑いがある人や接触者、関係各所に連絡をしよう

病院や検査施設等で検査を受け、新型コロナウィルス感染症の陽性判定をされたら、会社や学校、保育園や幼稚園、介護施設や友人知人など、関係各所に連絡が必要となります。

<感染者が連絡をする際に伝えるべきこと>
・感染者の検体採取日
・感染者が発症した(症状が出た)日
・感染者が発症した日の2日前からともに行動した日
・感染者が無症状の場合は、検体採取・日の2日前からともに行動した日
・療養期間の予測終了日(症状が残る場合は療養期間が延長する場合があるため予測としています。)

<PCR検査などで陽性になった場合の隔離期間は?>
検査で陽性となったらすぐに連絡が必要な場合もありますね。
あくまでも保健所の指示のもと隔離期間が決まりますが、保健所からの連絡が遅れることもあります。
そのためご自身で隔離期間を予測して把握しておく必要があります。

では、PCRなどの検査で陽性だった場合、いつから何日、隔離期間とすればよいのでしょうか。
 
症状がある場合は、症状が出た日から10日、かつ症状が軽快して72時間が経過すること。
または、軽快して24時間以上空けて、PCRなどの検査を行い、2回とも陰性だった場合に隔離期間の解除となります。

症状がない場合は、検体採取日から10日が経過すること。
または、採取日から6日が経過した後に24時間以上空けて、PCRなどの検査を行い2回とも陰性だった場合に隔離期間の解除となります。

当初、無症状であっても、途中で症状が出現してしまったら、発症した日から10日間は感染性があるとされているため、発症日から数え直すことになります。
最終的な隔離解除の日程については、保健所の指導に従う必要があります。

<濃厚接触者はどんな場合をさすのか?>
濃厚接触者とはどんな場合をさすのでしょうか。
また、濃厚接触者になったらどんな対応が必要になるのでしょうか。

濃厚接触者とは、陽性となった人と一定の期間に接触があった人をいいます。
ここでいう一定の期間とは、症状があるかないかで異なります。
症状のある人では症状出現から2日前、症状のない人では検体採取時から2日前の期間です。
この期間に、以下の条件に当てはまる人を濃厚接触者といいます。

・陽性者と同居している人。
・陽性者と長時間接触した人。(車内や航空機内などを含みます。原則、機内は国際線では陽性者の前後2列以内の列に搭乗していた人、国内線では周囲2m以内に搭乗していた人にあたります。)
・適切な感染防護の用意なしに、看護や介護をしていた人。
・陽性者の気道分泌液や体液などの汚染物質に直接触れた可能性の高い人。
・陽性者と1m以内でマスクなしで15分以上の接触があった人。
以上の原則に基づき保健所が総合的に判断します。

<濃厚接触者になった場合の健康観察期間(自宅待機期間)について>
濃厚接触者の方は、新型コロナウイルス感染症患者と接触があった日を0日として、7日間の行動の自粛と健康観察が必要となります。
感染対策を行って、不要不急の外出を控えた7日間の自宅待機です。
状況によっては、14日間となる場合もあります。(自宅待機中の症状出現によって延長された場合)

隔離期間の決定、療養生活の開始

陽性になると感染者としての隔離期間は療養生活を送ることになります。

保健所から、発生届に記載のある電話番号に連絡があり、療養についての案内、発症日の特定と体調の経過、行動状況の確認をされます。
リスクの高い方からの電話対応になるので、軽症・無症状の方には電話がかかってこない可能性もあります。

<東京都の対応例>
新規陽性者として登録された電話番号にSMSのメッセージが届きます。
隔離を必要とする療養期間の指示、HER-SYS(健康観察システム)の案内や、保存食やパルスオキシメーター配布の案内、宿泊療養施設の案内がなされます。
また、重症化の心配がある時、症状に問題はなくとも療養生活やコロナに関しての不安や困ったことがあるときの連絡先も記載されています。

宿泊療養を希望される感染者の方は、直接申し込みをすることもできます。
発生届の記載事項に誤りがある場合は、保健所からの連絡が遅くなることがありますので電話番号の間違いには注意をしましょう。
保健所の電話回線が混み合っている場合は、携帯電話から連絡する場合があります。
療養先は症状、同居家族の状況、病院や施設の受け入れ状況等に応じ、個別に調整してくれます。

※お住いの地域の自治体の対応に違いがあるかもしれませんので、必ずお住いの自治体の対応をご確認ください。

これらの連絡や調整を受け療養生活が始まります。
心配事がある時は無理ぜず、指定のコールセンターなどを利用しましょう。

隔離期間の療養生活のルール

療養生活は、自宅、宿泊施設または病院などで過ごすことになります。
病院、宿泊施設は専門のスタッフのもと指導に基づき生活を送りましょう。

自宅療養では、ルールを知り、実践していく必要があります。
ひとり暮らしであったり、小さな子どものいる家族であったり、介護が必要な高齢者がいる家族であったりと、その状況はそれぞれ違うので世帯にあわせて工夫が必要になります。
自身の健康管理と感染を広げないために必要な生活のルールの、基本的な項目をあげていきます。

<感染者の病状観察について>
・感染拡大防止のため、自宅から外出せず、自宅で療養しましょう。
・ご家族など同居の方も、生活上必要な外出を除き、不要不急の外出は控えましょう。
・外出する場合はマスクを着用しましょう。
・外部からの不要不急の訪問者は受け入れないようにしましょう。
・療養期間中は毎日1日2回、体温測定などで健康状態の観察を行いましょう。
・療養期間中は症状の悪化や、症状出現の際に症状を悪化させるので飲酒・喫煙は厳禁です。
・病状に気になる症状や、強い症状で不安な時は保健所などに相談しましょう。

<コロナに感染した人と区別するもの>
・部屋を分けるか、スペースをとりましょう。
・よごれたタオルや服は洗濯しましょう。
・タオルや食器など身の回りのものを共用しないようにしましょう。
・ゴミ箱は別にして使い、捨てる時にはよくしばって捨てましょう 。
・看病する人は、感染を広げるのを防ぐためにできるだけ1人に決めましょう
・こまめに手を洗いましょう 。
・家族で正しくマスクをつけましょう。
・こまめに換気をしましょう。レンジフードの使用も効果的です。
・手でよくさわる場所は掃除や消毒をこまめにしましょう。
・食事は別々に時間差でとるようにしましょう。
・お風呂は感染した方が最後になるように使用しましょう。

療養生活の終了について

療養期間の終了は保健所の指示をもって終了になります。
療養宿泊施設の退所、入院されている方の退院については、医師の判断によります。
退院、退所、自宅療養終了日の翌日からは、通常の生活に戻れます。

陽性者の療養終了基準は以下になります。
・発症日から10日間経過していること。
・解熱剤を服用しなくても72時間以上の発熱がないこと。
・咳などの呼吸器からくる症状が軽くなっていること。

※人工呼吸器、体外式心肺補助(ECMO)の管理を受けた重症患者では退院基準が異なります。

また、新型コロナウイルス感染症は、医療保健関係者による健康状態の確認を経て、入院・宿泊療養・自宅療養を終えるものであるため、療養終了後に会社の勤務や学校、登園を再開するにあたって、陰性証明を提出する必要はありません。

感染者から感染の可能性があると連絡がきた人はどうすればよい?

もし、コロナに感染して、あなたにも感染の疑いがあるかもしれないと言われたら動揺してしまいますが、まずは事実確認も大切なので、感染者の方に以下の内容を確認しましょう。

1.感染者の検体を採取日
2.感染者が発症した日(症状が出た)
3.感染者が症状がある場合は、発症した日の2日前からともに行動した日
4.感染者が無症状の場合は、検体採取日の2日前からともに行動した日

1.2の2日前の日付が、感染者と最後に会った日より前であれば感染の可能性は低く、同じか後で、感染者と手の届く範囲でマスクなしに15分以上会話をするなどしていれば濃厚接触者の可能性が高くなります。
その事実をもって対応を考えていきましょう。

濃厚接触者に接触した方の対応

濃厚接触者の接触者はどのように対応すればよいのでしょうか。
この接触者とは、濃厚接触者に濃厚接触していないが接触していた人ということになりますね。
この場合は、濃厚接触者が陽性となった場合に改めて濃厚接触者に該当するかを判断されるので、それまでは特に制限はありません。

感染者から感染の可能性があると連絡を受けた方の対応

感染者からの連絡で、感染の可能性があると連絡を受けたということは濃厚接触者になった可能性があるので以下の対応をとる必要があります。

・感染者と最後に接触した日の翌日から7日間の自宅待機
・不要不急の外出の自粛をしましょう。
・リスクの高い場所の利用や会食等を避けましょう。
・マスクを着用しましょう。
・毎日の検温などで自身による健康状態の確認をしましょう。
・発熱、咳、息苦しさ、強い倦怠感などの症状に注意し、症状がみられたらかかりつけ医に受診しましょう。
・検査を受けて結果が陰性であっても、健康観察期間中は症状が出ていないか注意して自宅待機をしましょう。

感染者から連絡を受けた場合の学校、保育園・幼稚園等はどのように対応する?

もし感染者から、学校・幼稚園・保育園などが感染の連絡を受けると、すぐに休校や休園になってしまうのでしょうか。

感染者から感染の連絡を受けると、学校・幼稚園・保育園は「学校・保育園等調査対応手順」という保健所からの指示にのっとって感染者や濃厚接触者にあたる職員・児童がいないか確認し、所定の調査を保健所に提出し、保健所が濃厚接触者や接触者を認定します。
もし濃厚接触者にあたる方がいれば、登校・登園を自粛してもらいます。
濃厚接触者の接触者に関してはPCR検査が陰性であれば自宅待機は解除となります。

保健所は感染者や濃厚接触者の認定などを行うものの、休校・休園などの措置は保健所が指導するものではなく、その時の状況にあわせ、学校・保育園・幼稚園が判断しています。

まとめ

コロナ陽性判定されると、感染者となり隔離期間は療養生活を送らねばなりません。
感染者になると急に通常の日常生活が送れなくなり、本当に困ってしまいます。
そのために様々な仕組み作りで療養者の生活が守られているのですが、コロナウィルス自体の性質も変わっていくため、新たな株の感染で継続的に高い感染者数で推移している現状では、保健所の対応もひとりひとりに確実に行き届くのは難しい状況です。

そのために個々人でコロナに感染したらどんな生活になってしまうか、どんな対策をするのか知っておくことが大切になりますね。
その対策をとる一助となれれば幸いです。
ファストドクター